今日、一般的に強いと言われるオセロソフトのBOOKでは、LOSS と判定した進行は、盤面最悪手として評価値が付けられる。WZebra然り、Ntest然り、Herakles然り。
この評価値の付け方の場合、単純に評価値の最善手順を探索していけば、ある手順が引分であるかどうかを確実に識別可能である反面、引分でなかった場合には評価値が大きく狂うことになる。そのため、最善で2石差となる進行でも、評価値が -4 などになってしまう。
元来BOOKは、対コンピュータ戦を想定しているが故に、引分進行さえ判別できれば十分である。しかし、対人戦を想定した場合、2石差或いは4石差の進行だとしても殆ど互角である場合が多い。従って、引分進行以外の評価値が大きく狂っているようなBOOKでは、対人戦用の序盤研究には役に立たない。
/ミミミミミミミ川\
. /ミミミミ/\ミ川川|/\
. /ミミミ/ \|/ ヽ
/三三三| |
/三三三> \ / <|
|三三三/ 〈____ )) __)
|三(⌒|| \_0> <__0/
. |ミ(6 |_| / |\ 〉 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
. | し / | | | あえて言おう |
. 丶| | 〈 」〉 | < |
. | | __ / | カスであると |
. | \ ー / \_______/
. | \ | |
. | ̄ ̄ ̄ ̄ \___/
. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | ̄|
. | 二二二\_| | |_/二
. 二二二__| | |_二|
そこで、自分が所有しているBOOKでは、引分でないと確定した進行に関しては、LOSSの評価値を石差の整数値で書き換えるようにしている。完全読みで2石差の場合は、2.00、4石差の場合は4.00 という具合だ。そうすると、結果として各変化の正確な石差とその進行を求めることができる。例えば、下記のような状態になる。
おまけでオセロのトリビア。暴走牛は双方最善で20石差になる可能性が高い。
しかし、世間一般に出回っているBOOKは、引分以外の進行の評価値が大きく狂っているものであり、それを参考にしてしまったオセロプレイヤ達は、(個人的な感覚では)退屈で閉塞的な引分の序盤進行しか打たない傾向があるように思える。
例えば、下記のような Comp'oth の盤面では、、B3、B4、B5 は2石差進行であり、人間にとってはほぼ互角と言える展開になるにも関わらず、殆ど打たれることがない。
このような進行が殆ど打たれないのは、質の悪いBOOKの普及と、各オセロプレイヤの序盤研究不足に因ることが大きいと感じる。これは、対戦するオセロプレイヤ同士の序盤の研究レベルが低いほど、有り触れた序盤の棋譜しか見られなくなる。
本当は、引分進行に拘らなければ、オセロの序盤は思いの他変化に飛んだものになり、面白くなるはずだと思う。研究のやり過ぎでオセロが詰まらなくなるという人が居るならば、その人はまだまだ研究不足に違いない。打てる手(研究した手)が少ないから詰まらなく思えるだけだからだ。オセロの序盤は簡単には人間が覚えきれない程の変化があるのだから。
坂口様の理論によれば、四段の書く記事を読んでも四段以上になれないので、今回の記事は高段者は参考にするべきではない。しかし、その理論に従うと、高段者よりも遥かに強いWZebra様が指し示す進行は、覚えておくべきである。
2010/02/27
序盤研究 第一回
超不定期連載。
今回は、理論上、最も勝率が高くなる手筋を検討する。
オセロの最善は引分進行になるが、その中で最も勝率が高い進行とは、引分の分岐数が少ない手筋になる。何故なら、引分の分岐数が少ない=相手が最善を外す可能性が高い、ということになるからだ。
(しかし、それは自分も引分進行を外す可能性が高くなってしまう諸刃の剣。)
2010年1月現在で、自分が所有しているBOOKでは、初手から36手までの引分進行を 320083 個発見している。このBOOKは、数年間に渡り育て上げてきたもので、BOOKのデータ量としては恐らく世界最高クラスとなる。
参考までに tosapy さんが配布している 2008年3月時点での Extra-Large Book では、初手から36手までの引分進行が 5234 個だった。つまり、単純比較では、この BOOK は Extra Large Book の約60倍以上の学習量を行っていることになる。
現在、新たな引分分岐進行を発見するペースが収束方向に向かっており、現時点でも真に存在する引分分岐数の相当数をカバーできていることが推測できる。
今回は、このBOOKを使って白黒双方のどちらから見ても理論上最も勝率が高くなる序盤進行(初手から20手まで)を検討する。
まず初手から。
当然どこに置いても同じなので、F5 に置いて進める。
2手目。
白の縦取りと斜取りでは、どちらでも双方最善で引分進行になる。しかし、斜め取りの引分分岐数は290664個あるのに対し、縦取りは29419個と圧倒的に少ない。そのため、白にとって勝率の高い手筋は、縦取りとなる。
3手目。
燕定石の変化があるために、C4 の方が引分の分岐数が多い。そのため、黒にとって勝率の高い手筋は C3 となる。
その後、D3、C4、F4 と進んだ7手目。
No-kung や Comp'Oth があるため、実は F6 の方が引分の分岐数は多い。そのため C5 を選択する。
B3、C2 と進んだ 10手目。
メジャーな分岐として、酉(E3)、FJT(B4)、タメノリ(E6)があるが、タメノリが一番分岐数が少ない手順になる。為則九段は、80年代のコンピュータによる解析が殆ど行われていなかった時代にこの進行を発見していた。今更ながら、そのセンスには驚愕させられる。
次の分岐点は、B4、B5、D2、E3、A6 C1 と進んだ 18手目。
引分の分岐が4箇所あるが、最も引分進行が少ないのは D7 となる。
次の引分分岐地点は20手以降となる。
以上から、下記進行が白黒双方にとって、最も勝率が高くなる序盤進行と結論づけられる。
F5D6C3D3C4F4C5B3C2E6C6B4B5D2E3A6C1D7
実際の対人戦に於いても、この進行は非常に有効であると考えられる。
という暗記オセラーへのプロパガンダ。
今回は、理論上、最も勝率が高くなる手筋を検討する。
オセロの最善は引分進行になるが、その中で最も勝率が高い進行とは、引分の分岐数が少ない手筋になる。何故なら、引分の分岐数が少ない=相手が最善を外す可能性が高い、ということになるからだ。
(しかし、それは自分も引分進行を外す可能性が高くなってしまう諸刃の剣。)
2010年1月現在で、自分が所有しているBOOKでは、初手から36手までの引分進行を 320083 個発見している。このBOOKは、数年間に渡り育て上げてきたもので、BOOKのデータ量としては恐らく世界最高クラスとなる。
参考までに tosapy さんが配布している 2008年3月時点での Extra-Large Book では、初手から36手までの引分進行が 5234 個だった。つまり、単純比較では、この BOOK は Extra Large Book の約60倍以上の学習量を行っていることになる。
現在、新たな引分分岐進行を発見するペースが収束方向に向かっており、現時点でも真に存在する引分分岐数の相当数をカバーできていることが推測できる。
今回は、このBOOKを使って白黒双方のどちらから見ても理論上最も勝率が高くなる序盤進行(初手から20手まで)を検討する。
まず初手から。
当然どこに置いても同じなので、F5 に置いて進める。
2手目。
白の縦取りと斜取りでは、どちらでも双方最善で引分進行になる。しかし、斜め取りの引分分岐数は290664個あるのに対し、縦取りは29419個と圧倒的に少ない。そのため、白にとって勝率の高い手筋は、縦取りとなる。
3手目。
燕定石の変化があるために、C4 の方が引分の分岐数が多い。そのため、黒にとって勝率の高い手筋は C3 となる。
その後、D3、C4、F4 と進んだ7手目。
No-kung や Comp'Oth があるため、実は F6 の方が引分の分岐数は多い。そのため C5 を選択する。
B3、C2 と進んだ 10手目。
メジャーな分岐として、酉(E3)、FJT(B4)、タメノリ(E6)があるが、タメノリが一番分岐数が少ない手順になる。為則九段は、80年代のコンピュータによる解析が殆ど行われていなかった時代にこの進行を発見していた。今更ながら、そのセンスには驚愕させられる。
次の分岐点は、B4、B5、D2、E3、A6 C1 と進んだ 18手目。
引分の分岐が4箇所あるが、最も引分進行が少ないのは D7 となる。
次の引分分岐地点は20手以降となる。
以上から、下記進行が白黒双方にとって、最も勝率が高くなる序盤進行と結論づけられる。
F5D6C3D3C4F4C5B3C2E6C6B4B5D2E3A6C1D7
実際の対人戦に於いても、この進行は非常に有効であると考えられる。
という暗記オセラーへのプロパガンダ。
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