2010/02/27

序盤研究 第一回

超不定期連載。
今回は、理論上、最も勝率が高くなる手筋を検討する。

オセロの最善は引分進行になるが、その中で最も勝率が高い進行とは、引分の分岐数が少ない手筋になる。何故なら、引分の分岐数が少ない=相手が最善を外す可能性が高い、ということになるからだ。
(しかし、それは自分も引分進行を外す可能性が高くなってしまう諸刃の剣。)


2010年1月現在で、自分が所有しているBOOKでは、初手から36手までの引分進行を 320083 個発見している。このBOOKは、数年間に渡り育て上げてきたもので、BOOKのデータ量としては恐らく世界最高クラスとなる。

参考までに tosapy さんが配布している 2008年3月時点での Extra-Large Book では、初手から36手までの引分進行が 5234 個だった。つまり、単純比較では、この BOOK は Extra Large Book の約60倍以上の学習量を行っていることになる。

現在、新たな引分分岐進行を発見するペースが収束方向に向かっており、現時点でも真に存在する引分分岐数の相当数をカバーできていることが推測できる。

今回は、このBOOKを使って白黒双方のどちらから見ても理論上最も勝率が高くなる序盤進行(初手から20手まで)を検討する。


まず初手から。
当然どこに置いても同じなので、F5 に置いて進める。


2手目。
白の縦取りと斜取りでは、どちらでも双方最善で引分進行になる。しかし、斜め取りの引分分岐数は290664個あるのに対し、縦取りは29419個と圧倒的に少ない。そのため、白にとって勝率の高い手筋は、縦取りとなる。


3手目。
燕定石の変化があるために、C4 の方が引分の分岐数が多い。そのため、黒にとって勝率の高い手筋は C3 となる。


その後、D3、C4、F4 と進んだ7手目。
No-kung や Comp'Oth があるため、実は F6 の方が引分の分岐数は多い。そのため C5 を選択する。


B3、C2 と進んだ 10手目。
メジャーな分岐として、酉(E3)、FJT(B4)、タメノリ(E6)があるが、タメノリが一番分岐数が少ない手順になる。為則九段は、80年代のコンピュータによる解析が殆ど行われていなかった時代にこの進行を発見していた。今更ながら、そのセンスには驚愕させられる。


次の分岐点は、B4、B5、D2、E3、A6 C1 と進んだ 18手目。
引分の分岐が4箇所あるが、最も引分進行が少ないのは D7 となる。


次の引分分岐地点は20手以降となる。
以上から、下記進行が白黒双方にとって、最も勝率が高くなる序盤進行と結論づけられる。

F5D6C3D3C4F4C5B3C2E6C6B4B5D2E3A6C1D7

実際の対人戦に於いても、この進行は非常に有効であると考えられる。


という暗記オセラーへのプロパガンダ。

テスト投稿

なんとなくオセロブログ作ろうと思った。後悔はしていない。
google と blog のキーワードで検索したらここが見つかったので利用してみた。

使ってみて分かったんだけど、なんか多機能で凄いかもしれない。